高圧洗浄とは何か?外壁塗装前の下準備
外壁塗装を成功させるために、実は「塗る」前の準備がとても大切です。その中でもとくに欠かせないのが「高圧洗浄」です。高圧洗浄は、外壁表面にこびりついた汚れやカビ、古い塗膜の粉などを、水圧の力でしっかりと洗い流す作業を指します。
外壁の状態は、日々の風雨や紫外線によって想像以上に汚れています。見た目に分かりづらくても、目に見えないホコリや排気ガスの汚れ、チョーキング現象(古い塗料が粉状になる劣化症状)などが蓄積されています。これらの汚れをきちんと落とさないまま塗装をしてしまうと、新しい塗膜がしっかりと密着せず、数年で剥がれてしまうリスクもあるのです。
高圧洗浄で落とせるもの
高圧洗浄は、以下のような汚れや劣化物を効率よく取り除くことができます。
・土埃や排気ガスによる汚れ
・カビや藻、コケなどの微生物
・チョーキングによって発生した粉状の古い塗膜
・雨だれ跡などのしつこい汚れ
これらを事前に除去しておくことで、塗装の密着性が高まり、仕上がりの見た目も美しく、耐久性にも優れる外壁塗装が実現します。
高圧洗浄を怠るとどうなるか
高圧洗浄を省略したり、適切に行わなかった場合、以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
・塗膜の早期剥離
・塗装面のムラや浮き
・仕上がりの質感が悪くなる
・再塗装の必要が早く訪れる
せっかく外壁塗装をするなら、その効果を長持ちさせるためにも高圧洗浄は省略できない工程です。
高圧洗浄の流れと所要時間
実際の作業ではどのように進められるのでしょうか?ここでは、一般的な高圧洗浄の流れと注意点をご紹介します。
作業の基本手順
周辺の養生作業(窓・植木などを保護)
高圧洗浄機を使用して外壁を上から下へ洗浄
細かい部分や隙間も丁寧に水を当てて洗浄
洗浄完了後、しっかりと乾燥させる(1〜2日)
外壁の素材や汚れの程度によって多少の差はありますが、通常は1日程度で洗浄作業が完了します。ただし、塗装に入る前に完全に乾燥させる必要があるため、施工全体としては2日以上の期間を要することもあります。
使用する水圧の強さと注意点
一般家庭で使用される洗浄機とは異なり、業者が使う高圧洗浄機は非常に強力です。水圧は10~15MPa程度にもなり、汚れはもちろん、場合によっては外壁表面の脆弱な部分も削り落とすほどの威力があります。
そのため、外壁の素材が劣化していたり、ひび割れがある場合には事前に補修が必要です。また、高圧洗浄によって周囲の物や洗浄水が飛散する恐れがあるため、近隣への配慮と事前の養生作業も重要となります。
高圧洗浄に適したタイミングと天候
外壁塗装の前に必ず行う高圧洗浄ですが、天候や季節によっても最適なタイミングがあります。
雨の日はNG!乾燥時間を確保する
高圧洗浄後には外壁を完全に乾燥させる必要があります。雨が続く時期や湿度の高い季節は乾燥に時間がかかるため、作業工程が遅れることがあります。また、乾燥が不十分なまま塗装をしてしまうと、塗膜にふくれや剥がれの原因になります。
そのため、できるだけ晴天が続く時期を選び、洗浄と乾燥に十分な日数を確保することが望ましいです。
外気温が5℃以下の日も避ける
水を使用するため、外気温が極端に低い日も作業に適していません。凍結のリスクがあるほか、乾燥にも時間がかかるため、高圧洗浄は春や秋など、気候が穏やかな時期に実施するのがおすすめです。
業者選びのポイントと高圧洗浄の費用相場
最後に、高圧洗浄を外壁塗装とセットで依頼する際の業者選びのポイントや、費用について解説します。
信頼できる業者の見極め方
・見積書に「高圧洗浄」の項目が明記されているか
・洗浄作業にかかる時間や内容を丁寧に説明してくれるか
・洗浄後の乾燥時間をしっかり確保しているか
・作業前後に現地調査を行ってくれるか
これらの点を確認することで、高圧洗浄を軽視せず、丁寧な仕事をしてくれる業者かどうかを見極めることができます。
高圧洗浄の費用目安
費用は建物の大きさや立地条件によって異なりますが、一般的な戸建て住宅(30坪程度)であれば、高圧洗浄のみの費用は2万~5万円程度が目安です。ただし、多くの場合は塗装工事の見積もりに含まれているため、内訳を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
外壁塗装を長持ちさせ、美しく仕上げるためには、高圧洗浄は欠かせない工程です。表面の汚れや劣化物をしっかり落とすことで、新たな塗膜がしっかり密着し、耐久性も格段に向上します。天候や乾燥時間の管理、外壁の状態の確認など、細かな配慮が求められる作業ですが、プロの業者に任せることで安心して進めることができます。
これから外壁塗装を検討している方は、ぜひ高圧洗浄の重要性を理解し、信頼できる業者選びの参考にしてください。